マックス×宮本工業(鉄筋工事業者様)

マックスの鉄筋結束機をご使用いただいている企業様に、
鉄筋業界の働き方などについてお話しいただきました。

「女性の活躍と若者から選ばれる
鉄筋業界になるためにすべきこと」

宮本ゆり子 氏
宮本工業株式会社 代表取締役
山口県鉄筋工業協同組合 理事長

女性職人が目指す
モデルケースを作る

御社には20代の女性が職人として現場で働いていますが、
どのようにお考えですか?

なるべく長く会社で活躍してもらいたいなと思ってるので、できることは会社としてサポートしていこうと思ってます。やっぱり女性ってライフイベントに左右されることが大きいんです。例えば男性が転勤するから、女性がキャリアを捨ててついていくっていうのは当たり前にありますよね。ただ、女性に男性がついていくって少ないじゃないですか。

結婚して仕事が続けられたとしても、私たち専門工事業者はあちこちの現場へ行かなきゃいけない。早上がりだったり、帰りが遅くなったりした時のフォローを、家族だったりパートナーがしてくれるのか。

会社としては、フレックス勤務だったり、9時から入場して4時で退場っていうのを許してくれる現場に行かせたにしても、そこまでしなくていいよって家庭であれば仕事を辞めざるを得ない。じゃあ会社としてどうするって時に、事務職でいいよって言ってあげられる体力があれば、そういう選択肢もあるとは思うのですが、そうでなければ、ごめんねって言わざるを得ないんです。

なるべく選択肢を広げるために、例えばCADだったりを勉強しておいてねって、お願いはしても、向き不向きがあります。「彼女は現場が好きなので、それなら工場で働かせよう」と思っても、うちは今のままでフル稼働できてるから、新たにいらないんです。やっぱり企業の体力がなければ、その1名を入れることは難しい。

もちろん男性もありますよ。子どものいるお父さんに下の子が生まれたから、保育園の送迎をしなきゃいけないとか、買い物をしなきゃとか。でもどうしても女性の方が、そういったことに悩まされるケースが多いんです。

宮本工業で働く女性職人(現場4年目) 
角屋里海さん

彼女には、鉄筋施工技能士の2級が受かって、もう2年頑張ったら1級が取れる。もうちょっとキャリアを積んだら、施工図面の講師だったり、技能検定の検定員だったり仕事の幅が広がる。そのあたり現場経験がないと取れない資格も出てくるから、そこまで頑張らない?って話をしたんです。そしたら頑張りますと言ってくれたので、応援していこうと思っています。

講師って資格があれば、全国に教えにいくことができたりして、仕事の幅が大きく広がるんです。女性でそのようなことをやっているのって聞かないですし、できるようになれば、彼女にとってはもちろん、会社にとっても非常に大きなプラスになります。

若い子たちが将来設計をするにあたって、講師にまでなった子が生まれてくれると、自分もそうなりたいって憧れるし、目指してくれると思うんです。うちの会社だけでなく他の鉄筋業さんでも、ここまで頑張らせたらそういうポジションがあるんだってモデルになってくれればすごくいいかなと。

他でもそうやって考えてくれる業者さんが増えてくれば、もっともっと女性活躍が進む業種になるのかなって思います。

全鉄筋(全国鉄筋工事業協会)でも女性活躍の会を作っているんです。立ち上げて5、6年になるんですけど、コロナ禍も終わって、やっとみんなと一緒に会って、今働いている立場として、どういうことが足りないのか、何をしてもらいたいのかって、意見交換をしています。業界で働いている女性は少ないですから、そうやって全国の仲間と交流していくのも大事なことだと思っています。

女性が働きやすい職場は
男性も働きやすい

メーカーとして業界で女性がもっと活躍するために
できることはあるでしょうか?

いろいろあると思いますが、女性用のモデルを作るっていうのは、私は反対なんですね。例えばグリップが小さくて、手の小さい人でも持てるタイプっていうのは必要だと思うんですけど、それは男女関係なくて。手の小さい男性だって使いたいでしょうし。

現場に行ったらわかると思うんですけど、こういう世界にいる子たちって、そこを求めてないんですね。現場では女性らしさっていらないんですよ。例えば女性向けにピンクの工具が必要か言うといらないんです。汚れるし、紺色や黒がいいですって言ってますね。

男性でも小さい人が持つというイメージをしてもらったら、それは女性も持てるよっていう。求めているところってそこだと思います。左利き用のグリップとか、そういうのを作るのと同じ。男性用、女性用っていらないんです。

ただ、“女性が使いやすい”はイコール“男性も使いやすい”なんですよ。女性には重たいから軽くしよう、男性も軽いほうがいいですよね。トイレ問題もそうです。女性がいるからキレイなトイレにしようじゃなくて、男性だってキレイなほうがいいじゃないですか。女性男性って分けなくてもいいと思うんですよ。働きやすさっていうのは、男性も女性も変わりません。

今は色んな会社が女性活躍に取り組んでいて、難しい問題と言ってますけど、まずは本人たちの悩みを聞き出すことが1番の取り組みじゃないかなと。

「鉄筋工」という仕事を
知ってもらうために

今はどこもかしこも人手不足が問題になっています。

この業界にもっと目を向けてくれる若い人たちがいたらいいなと思うんですけどね。今、この業界で働いている人の子どもたちで、お父さんの仕事がカッコいいから、将来働きたいって思ってくれてる子って、ほとんどいないらしいです。

業界で働いている人にアンケートを取って、「この仕事に誇りを持ってますか?」って聞くと、ほとんどは「誇りを持ってる」って答えたんですけど、「自分の子どもにさせますか?」って質問に対しては、ほとんどが「させない」という結果でした。

そこは何なんでしょう。お金の問題なのか、キツさなのか、やはり総合建設業と専門工事業の地位に格差があるというか。専門工事業の人たちがいないと、建物は建たないけど、下に見られているということが残念ながらあります。本来は対等でないといけないのですが……。

やっぱり「この建物建てました」という時に、会社名しか出ないじゃないですか。その下で働くたくさんの人たちがいるのに。「ありがとう」とか「すごいね」って言われる機会がものすごく少ないんですね。

高校生とかに会社の説明をする時も「私たちは直接ありがとうとは言われない仕事だよ」って言ってます。「ありがとうって言われたかったら、ありがとうって言われる職に就いた方がいい。けど、ありがとうって言われる場所を作っているのは私たちだから」って話しています。

感謝されない、「ありがとう」って言ってもらえないところが、下に見られるところなのかなって思うこともあります。

私たちの職業は消費者に直接届くとかではないので、想像しにくいんです。看護師さんやお医者さんって、自分が苦しい時に助けてもらえるから「ありがとう」って言うし、憧れられるじゃないですか。私たちの職業は、自分が経験しないから、憧れられづらい。

ただ、同じ建設業でも福島とかでは「ありがとう」って言われて、若者がすごく就職したんですね。東日本大震災で被災された時、自衛隊が入るために道路を通したのは地元の業者さんなんですよ。あの人たちがいたから自分たちは助けられたっていうのを見たから、みんなありがとうって言うし、若い子が就職している。自衛隊に憧れる子もいただろうけど、建設業も憧れの職業になった。

とにかく、まずは自分たちがどんな仕事をしているのか知ってもらうのが大事なことだと思っています。就職を考えている高校生はもちろん、小学生や中学生にも、こういう業種があるんだって知ってもらいたい。子どもは工作をしたり、物を作るのが好きですから、そういう子に入ってきてもらいたいですね。

そういった部分では機械のデザインも大事だったりします。昔は用さえ足せればよかったですが、今はインパクトあるデザインを採用したものが出てきたり、そういうのが話題となって、若い人が興味をもってくれたらいいなと。

高校とかでICTが進んでるよとかアピールもしますけど、まずは、このカッコいい結束機を使ってみたいとか言われます。若い子は純粋なので。最初のきっかけはカッコ良さなんだと思いますね。

人を育てないと会社は
続かない

昔は中学を出てすぐに職人になる人がいましたよね。
20歳ぐらいの頃にはいい車に乗って、 ちょっと花形みたいなところがありました。職人をやれば儲かるって時代があったのに、今はそうではなくなっています。

それこそ一人親方みたいな働き方も難しくなっていますよね。最初は会社でサラリーマンとして修行して、そこから独立して一人親方にという夢を抱く人も減ってるのではないでしょうか。

人材派遣みたいな働き方の影響もあるのかもしれません。うちも「派遣を使いませんか」という営業電話がかかってきますが、使っていません。もちろん技能者は欲しいですけど、ちゃんと人を育てていかないと、会社って長く続かないんじゃないかなって。

例えばマックスさんの結束機は誰でも使えますよってことかもしれないですけど、根本的な鉄筋の仕組みを知らないと、使う意味がないじゃないですか。

鉄筋って同じ方向からでなく、交互に結束していくんですね。そうしないとコンクリートを流し込んだ時に弱くて外れちゃうんですよ。交互にかけてたら絶対外れない。そういうちょっとした技術って口伝えなんです。現場で同じ向きでやってる若い子がいたら、「同じ向きにするなよ」って、その理屈を教えたりするんですね。

壁もそうです。「どっちからコンクリが流れるかを考えて結束しろ」って言います。それってリアルで見ないと覚えない。実際にやらせてみて、体感して、かける方法を変えていく。

マックスさんの結束機を使えば結束っていう行為は誰でもできるんですけど、建物を作る技能、技術っていうのに関して言えば、知恵だったり、その物の成り立ちを教える人が必要なんです。伝承していかなきゃいけないんです。

でも、あの現場で一生懸命汗をたらして仕事しているのを見ると、会社としてはどうにか楽をさせてあげたいって思うんですね。そのためにも機械を導入していくことが大事なんだろうなと。あまり負荷をかけないで、仕事をさせてあげたい。

利益は働いている人に
還元されるべき

経営者目線で難しいのが、機械を導入して効率化することで、
じゃあ現場の人員を減らして会社の利益を上げようという考えもあると思います。

工場では10年ぐらい前から新しい機械をどんどん入れて、人数が少なくても工場が回るようになりました。でも、そうなったら、もっと仕事が取れるようになって売り上げが上がる。そうしたら働いている人に賞与として還元するべきだと思います。

彼らがいないと会社は回らない。建物だって建てられない。第一線の彼らがまずは報われるべきだと思いますね。建設業でも効率化が進んで、2×4だったり、パネル工法だったりが導入されてますが、最後は人が設置してます。機械があればいいって簡単に言ってもできないんですよ。それを管理する人が必要。スイッチ1個押そうが何しようが、最後は絶対に人がやることなので、人に還元されるべきですよね。

会社紹介

宮本工業株式会社
昭和60年12月 山口県宇部市にて設立
鉄筋工事、鋼材販売、建設副資材販売を行う

インタビューMOVIE

宮本工業で働く女性職人(現場4年目)角屋里海さんに
女性職人としての働き方やRBシリーズの魅力についてインタビューしました。